死に至ることもある強毒「ヒアリ」 国内初確認

死に至ることもある強毒「ヒアリ」 国内初確認

6月14日 18時22分

刺されるとやけどのような痛みに襲われ、

アナフィラキシーショックを起こして死に至ることもある

南米原産のアリ、「ヒアリ」が国内で初めて確認されました。
見つかったのは神戸港に荷揚げされたコンテナの中で、

数百匹以上のヒアリが薬を使って処分されましたが、

環境省は周囲に定着していないか緊急の調査を始めました。

「ヒアリ」は体内に強い毒を持つ南米原産のアリで、刺されるとやけどをしたような痛みが出てアナフィラキシーショックを起こし、死に至ることもあります。

アメリカでは年間100人以上が死亡していると言われ、10年ほど前からは貨物船などを通じて、中国や台湾などアジアにも広がり、各地で問題となっています。

環境省によりますと、中国・広東省から送られ、兵庫県の神戸港で陸揚げされたコンテナを先月26日、保管場所の尼崎市で調べたところアリの巣が見つかり、専門機関でヒアリと確認されたということです。

見つかったヒアリは数百匹以上で、すぐに

薬による消毒処分を行い、周辺からも見つかっていないため、環境省は国内でヒアリが定着し繁殖している可能性は低いとしています。

しかしコンテナの陸揚げからヒアリの発見まで1週間程度あったことから、コンテナが置かれていた神戸市と尼崎市の合わせて3か所の周辺に捕獲用のトラップを仕掛けるなどしてヒアリが侵入していないか緊急の調査を始めました。

外来生物に詳しい国立環境研究所生物・生態系環境研究センターの五箇公一室長は「ヒアリは小さく見つけにくいうえ繁殖力が強い。強い毒も持っており、まさに最悪の外来生物だ。人的な被害だけでなく、作物を食い荒らしたり日本にいるアリを追い払って生態系を変えたりするなど、大きな影響を与えるため早期発見が重要になる」と話しています。
環境省が緊急調査
環境省近畿地方環境事務所によりますと、今回見つかった「ヒアリ」は少なくとも数千匹に上り、駆除したあと一部をサンプルとして保存しているということです。

「ヒアリ」は体長が2.5ミリから6ミリ程度あり、茶色っぽい色をしていて腹の先には尖った毒針がついています。

近畿地方環境事務所では、ヒアリが見つかったコンテナが一時的に留め置かれた神戸市と尼崎市の合わせて3か所に12日、殺虫剤が入った仕掛けや捕獲のためのシートを設置したということで、当面の間は「ヒアリ」が残っていないか緊急の調査を行うことにしています。
「吐き気や手の震えなどの症状出た」
ヒアリを研究している九州大学「持続可能な社会のための決断科学センター」の村上貴弘准教授はヒアリの採集をしていた際に実際に刺されたことがあるということです。

その時の症状について村上准教授は「刺されると線香の火を押しつけられたような痛みを感じる。台湾で刺された時は息が荒くなったり、吐き気や手の震え、視野が狭くなるといった、アナフィラキシーショックの症状が出て驚いた」と話していました。

今回、国内でヒアリが初めて確認されたことについては「環太平洋の地域でヒアリが定着していないのは日本だけなので、いつ入ってきてもおかしくない。今回は的確に対処したので拡大のおそれはないと考えられるが、貿易が活発化する中で、今後も侵入するケースは増えてくるだろう。繁殖力が強いため、水際での駆除に失敗すると一気に広まり、被害が出る可能性がある。港などでより注意深く水際で食い止める対策を取ることが重要だ」と話していました。
一刻も早く医療機関の受診が必要
ヒアリは体内に強い毒を持ち、腹部にある鋭い針で相手を繰り返し刺します。攻撃性が強く、巣を刺激したりすると集団で襲いかかってきます。人が刺されるとやけどのような激しい痛みを感じます。

専門家によりますと、ヒアリの毒への反応には個人差があり、特に注意が必要なのは激しいアレルギー反応を起こす「アナフィラキシーショック」に陥った場合です。

ヒアリに刺されてから数分から数十分の間に息苦しさを感じたり、声がかれたりし、激しいどうきやめまいを感じた場合には命に関わるおそれがあるため、一刻も早く医療機関を受診することが必要です。
台湾では根絶が困難な状況に
ヒアリの生態に詳しい沖縄科学技術大学院大学の吉村正志研究員によりますと、台湾では2003年にヒアリの侵入が初めて確認され、政府が専門の研究所を設立するなどして駆除にあたってきましたが、生息域は広がり続け、根絶は極めて困難な状況になっているということです。

ヒアリは住宅街の空き地や公園などのうち、土が乾いた場所を好んで巣を作るということですが、台湾ではそうした場所に加え、家畜の放牧地にも生息域が広がり、かまれた家畜が餌を食べなくなって育ちが悪くなるなどした結果、廃業に追い込まれた畜産農家もいるということです。また、かまれて病院に搬送される人も後を絶たないと言うことです。

ヒアリは一度巣を作ると在来のアリを駆逐して、次々に生息域を広げ、台湾では特定の場所で重点的に駆除を行うなど対策を進めていますが、根絶させるのは極めて難しい状況になっているということです。

吉村研究員は今回、日本で初めてヒアリが見つかったことについて、「日本にはヒアリが侵入した中国や台湾からの船が行き来しており、いつ見つかってもおかしくない状況だった。水際で発見できてよかった。ヒアリが入ってきた経路を検証するとともに、今後入りそうな経路を予測して、監視体制を強化する必要がある」と話しています。

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